イスラエル軍は27日、レバノンの首都ベイルート南部にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの本部を攻撃したと発表した。イスラエルの主要メディアは、ヒズボラの最高指導者ナスララ師らを狙った空爆だったと報じた。現地時間27日深夜までに、ナスララ師の生死はわかっていない。
米ネットメディア「アクシオス」は今回の攻撃について、イスラエル軍がレバノンに地上侵攻した2006年以降のベイルートへの攻撃で、最大規模だったと伝えた。AP通信によると、レバノン保健省は、この攻撃で少なくとも2人が死亡し、76人が負傷したと発表した。
イスラエル軍のハガリ報道官は、「この本部はヒズボラのテロの震源地だった」と説明。住宅地の下層に本部が位置していたとし、「ヒズボラがレバノン国民を人間の盾として利用する戦略の一環だ」と主張した。
イスラエル首相府は攻撃の後、ネタニヤフ首相が受話器を手に、ベイルートへの攻撃に許可を与える場面の写真を公表した。ネタニヤフ氏は国連総会のために米ニューヨークを訪問していたが、滞在を切り上げてイスラエルに戻るという。(今泉奏)